ジョロウグモは毎日網を張りかえるのか?(2)
前回の記事に引き続き、ジョロウグモの網は毎日張り替えられるのか、見に行った結果です。
今回は、強風ではなかった日の晩の張り替えの様子と、雨の日の網の様子を中心に…。
■10月30日20時ごろ
この日の夕方はそれほど強風ではありませんでしたが、やっぱり半分になった網が半数以上でした。
ほとんどのジョロウグモが、毎晩半分ずつ張り替えているようです。(と、この時は思いました)
これは、前回の記事にも出てきた自宅のジョロウグモ。
前日は左側の張り直しをしていましたが、この日は右側を撤収して縦糸を張ったところです。
■10月31日21時ごろ
この日は夜中から翌日の明け方にかけて雨が降りました。見に行ったのは雨が降る前。
前日のように半分の網がたくさん。日没からこの時間までの間に、半分の網を食べ終えて撤収してあります。
この数時間後に雨が降ったわけですが、特に予測して準備している気配は見られません。
半分撤収して半分残った網。
こちらも半分の網。
これは、自宅のジョロウグモ。また前日とは逆の側を張り直ししようとしています。
切れ目はきれいに整っています。
横糸を噛み切っていくのでしょうが、噛み切る瞬間を見てみたいものです。
これまでの観察結果だと、日没後から20時までの間に噛みきるわけですね。
■11月1日8時ごろ
夜中に雨が降った翌朝の様子を見に行きました。雨は上がっていましたが、曇りで太陽はまだ。
太陽の反射がないと、網の細かいところまで見るのはけっこう手間がかかります。
縦糸と足場糸だけの網、半分だけが縦糸と足場糸であとは元通りの網、円網はなくなっているクモ、さまざまでした。
一番多かったのが、縦糸と足場糸だけの網。
別のクモの網ですが、縦糸と足場糸だけの状態を拡大。
クモの網は、縦糸を張った後に足場糸を張って、その後に細かく横糸を張っていきます。
粘球がついて粘るのは、ここでは撤収されている横糸です。
こちらのクモは、右半分は元のまままで、左半分は縦糸と足場糸だけ。
雨粒のついた網も見つけました。雨粒がついた網は一か所に集中していました。風向きのせいかな?
この網は、左側の雨粒のついた部分は元のまま。右側は縦糸の張り直しの最中でした。
雨粒がついた元の網を拡大。足場糸は粘球がついていないので、水滴もほぼついていません。
さらに拡大。
横糸のない適当な網なのに蛾を捕まえて食べているクモもいました。蛾の方も、とんだぼんやりさん。
蛾を食べているクモに交接を迫るオスグモ。
毎晩の網の撤収も張り直しも、オスはなんにも協力していないようです。
雨が降り出して、横糸だけを撤収したのか、それとも縦糸も足場糸もすべて撤収して、早朝に縦糸と足場糸だけ張り直して横糸はまだこれから張るつもりだったのか?
午前8時の状況を見ただけでは、はっきりとしたことは言えません。
この後太陽が出てきて、クモたちは一斉に横糸を張ったと思われます。
昼間は野暮用があって見に行けなかったので、夕方もう一度見に行ったら、ほぼ完成形の網がほとんどでした。
ただ、ちょっと気になる点も…。そのお話はまた次の記事に書こうと思います。
※関連の記事
ジョロウグモは毎日網を張りかえるのか?(1)
ジョロウグモは毎日網を張りかえるのか?(3)
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